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絵画 田辺修 ----------たなべ・おさむ[b.1940-]
山口県生まれ。1970年、武蔵野美術短期大学卒業。町田市に住んで40年近くになる。自宅に程近い高台にアトリエを構える。アトリエには制作途中の作品が壁一面に貼られていた。支持体となる紙の上に土が塗られた状態だ。紙は版画用の和紙を張り合わせたもの。小学校の教師をしていたころ、版画の授業で出た生徒たちの描き損じの紙を再利用したのが始まりだ。土を用いることも特徴のひとつだ。故郷である山口県の土で、描きながら子どもの頃遊んだ土壁や石垣を思い浮かべることもあるという。ほかに、水彩絵具、コンテ、木炭、墨、胡粉などさまざまな素材を駆使しながら描きあげる。

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テーマはタイトルにもなっている「大地」である。きっかけは、50代半ばに飛行機から見たツンドラの景色だった。「人間の通った跡がはっきりと見えた」と画家は言う。そう聞いて改めて作品を見ると、はじめ抽象画に見えた画面からは道や水路のようなものが浮かび上がってくる。「自然の形態や現象の内側にあるものを、自分のフィルターを通してかたちに置き換えたい。描いたものを消したり、削ったり、貼ったりを繰り返すなかから、突然あらわれて来るものを大切にしています」。
独特なテクスチュアをもつ絵画からは、雄大な大地のぬくもりが伝わってくる。[IC]

図版=《図版=大地》112×145㎝ 和紙、ミクストメディア 2010
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