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絵画 柏田彩子 ----------かしわだ・さいこ[b.1977-]
福岡県出身。2001年、多摩美術大学美術学部絵画科卒業。03年、同大学院修士課程修了。町田市に住んで10年になる。05年初個展。はじめの頃は、自分で削った木製の変形パネルに描いていた。モチーフは、荒野や海辺にたたずむひとりぼっちの旅人。特定の場所ではなく、誰かがいつかどこかで見たことのあるような風景。人物も画家自身であり、他の人でもある。「自分を投影しているけれど、見る人にも自身を投影してほしい」と作家は語る。矩形ではなく不定形にしたのは、断片的なかけらのような形のほうが、その周りの世界を感じてもらえると思ったから。

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09年頃からは、矩形のキャンバスによる表現に。12年8月の個展に展示された「羽化のとき」は、これまでの人物が登場する作品とは少し趣を異にしていた。さなぎのような形が宙に浮かぶ、抽象画のような風景画のような、不思議な絵だ。「不特定多数の存在や気配を描きたい。それが人物のときもあれば、風景の中のシミにも見える何かの生き物のような形のときもあります」。
はじめに形の面白さがあって、それをきっかけにして描き進める。「自分の周りの通り過ぎるものを、自分のフィルターを通して表現して行ければ」。
それは彼女にとって、自分自身を探す行為にほかならない。[IC]

図版1=羽化のとき 綿キャンヴァスにアクリルガッシュ 91×72.7cm 2012
図版2=足下の化石 合板にアクリルガッシュ 27×29.5cm 2009
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