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絵画 清野和正 ----------せいの・かずまさ[b.1979-]
seinokazumasa-00.jpg 東京都生まれ。2006年、多摩美術大学造形表現学部造形学科油画専攻卒業。16年より町田市に住み、市内に共同アトリエをもつ。

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アトリエのイーゼルには、完成したばかりの作品「まつろわぬもの」(図版)が掛けられていた。画面手前には、イノシシの頭蓋骨が二つ置かれ、後方の本棚にも小さな頭蓋骨(キツネ)が見える。「野生の動物たちの感覚に触れることで、僕らの中に眠っている野性的な感覚を呼び覚ましたい」と画家は語る。頭蓋骨は「死」をも連想させる。同じく本棚に置かれた『東京漂流』(藤原新也著)の背表紙が目を引く。観るものは自ずとその意味を勘ぐってしまう。しかし清野によると、自分の好きな本ではあるが、たまたま手元にあったものだそうだ。モチーフの配置(構成)はつくり込まず、ありのままの状態を心がけている。そこには、「自分の眼で見えるもの、そこに在るものを描く」という画家の姿勢が貫かれている。
リアリズム絵画への思いが確かなものとなったきっかけは、10年に平塚市美術館で開かれた磯江毅の個展であった。その緻密でリアルな描写を見て、「人間はここまで描けるのだな」と感じ、それまでの迷いや不安が吹き飛び、道筋が見えたという。
ところで清野は、生業として訪問介護の仕事をしている。利用者の家を訪ね、そこに生きている人々と接することは、画家の追求する写実表現と深く結びついているように思えた。[IC]

図版=まつろわぬもの キャンバスに油彩 116.7×91cm 2016
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